宮原正明 准教授

研究紹介

1)隕石に記録された衝撃変成履歴の解明

衝突現象は天体の成長・進化の基本要素の1つです。例えば,小惑星「イトカワ」は母天体の小惑星が衝突により砕け,破片の一部が再集積し現在の形となった事,回収試料の形状は衝突の影響を受けている事が示唆されています。天体の欠片である隕石には衝突現象の様々な痕跡が残されています。衝突現象の痕跡には肉眼でも観察可能な岩石の角礫化やコンドルールの変形といったものから,高分解能の電子顕微鏡や高感度の分光分析装置を用いなければ分からない鉱物の溶融,ガラス化や高密度化現象などがあります。私達の研究室は,様々な分析手法を用いて隕石に記録された衝撃現象の痕跡を調べ,小惑星,月や火星で起きた衝突現象を解明し,太陽系の進化史を読み解くことを目指しています。

2)火星表層で起きた水-岩石反応の解明

探査機による分析から,火星表層には様々な物質(珪酸塩鉱物,酸化物,硫酸塩鉱物,硫化物,粘土鉱物やアモルファス物質など)が存在することが報告されています。特に硫酸塩鉱物や粘土鉱物といった変質鉱物は火星表層で起きた水-岩石反応を知る上で重要です。こうした変質鉱物は火星の表層から放出され,地球へ飛来し回収された火星起源隕石にも含まれています。火星起源隕石は様々な異なる年代に形成され,水-岩石反応を含む様々な現象を記憶し,火星の過去の環境を復元する重要な手掛かりとなります。私達の研究室では,電子顕微鏡や走査型X線顕微鏡といった分析装置を用いて火星起源隕石中の変質鉱物を調べ,火星表層環境の解明に取り組んでいます。

主な研究業績

  • Miyahara M., Ohtani E., El Goresy A., Ozawa S. and Gillet Ph. Phase transition processes of olivine in the shocked Martian meteorite Tissint: Clues to origin of ringwoodite-, bridgmanite- and magnesiowüstite-bearing assemblages. Physics of the Earth and Planetary Interiors 259, 18-28, 2016.
  • Miyahara M., Ohtani E., El Goresy A., Lin Y., Feng L., Zhang J.-C., Gillet Ph., Nagase T., Muto J. and Nishijima M. Unique large diamonds in a ureilite from Almahata Sitta 2008 TC3 asteroid. Geochimica et Cosmochimica Acta 163, 14-26, 2015.
  • Miyahara, M., Ohtani, E., Yamaguchi A., Ozawa S., Sakai T. and Hirao N. Discovery of coesite and stishovite in eucrite. Proceedings of the National Academy of Sciences U.S.A. doi: 10.1073/pnas.1404247111, 2014.

学生の研究テーマ

  • 白石尚輝(M2) 「火星起源隕石(ナクライト)の水質変成履歴の解明」
  • 川野晃平(B4)
  • 中村綾花(B4)
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広島大学大学院先進理工系科学研究科 地球惑星システム学プログラム 地球惑星化学グループ